黒白の翼

朝一番に届いたお祝いの手紙とプレゼント達が
今日は特別な日なのだと、彼女に告げる。

飛翔のシンボルを象ったカフスは、
さっそく耳元に。

きらりきらり。
髪の合間から覗く姿は、本当に羽ばたいているかのよう。

少し大きい卵のようなそれは、
スイッチを入れれば、たちま…

「もぅ！朝から太陽さん頑張りすぎ！！」

部屋が明るすぎたので、カーテンを閉めた。
気を取り直して…

少し大きい卵のようなそれは、
スイッチを入れれば、たちまち部屋中に星が散らばる。

見慣れたはずの部屋は消えて、たちまち小宇宙。

すごいすごいと見とれているうちに…
ぺちぺち…と何やら不穏な音。

きゅ～♪と、不思議そうに楽しそうに、
卵を叩いていた白い毛玉を、慌ててひっぺがした。


それからしばらく、ＧＴにお出かけ。

いつも通り敵を倒して、
いつも通り帰る…はずだったけど、
帰りがけに「おめでとう」と声をかけてもらったのが、
とても嬉しかった。

帰るとまた、プレゼントが届いていて…

相対する２色の石がキラキラ輝くアンクレットは
留め金部分が翼を模して、まるでカフスとセットのアクセのよう。

どんな服と合わせようか…想像するだけで
お出かけするのが待ち遠しくて仕方がない。

外装から綺麗な万華鏡は、
覗き込むと、海の中に花火があがる。

海中での花火大会に夢中になっていると、
これまた白い毛玉の相方が、われもわれもと騒ぐ。

落とすなよー？と、しぶしぶ渡してあげれば、
以外にも器用にくるくると回していて…

この後しばらく、取り合いになったのは言うまでもない。

それから、黒いハンチング帽。
総レースの帽子は、いつもよりぐっと背伸びした感じ。
鏡の前でくるくると、色々な角度から見てみて満足そうににっこり。


たくさんありがとう。

１度目は、慣れない祝福に、驚きと戸惑いで…
２度目は、ただただ単純に嬉しくなって、でもちょっと照れて…

そして学園に来て、３度目の今回は…

たぶんこれは、嬉しいというより、シアワセっていうんだと、
ほんの少し大人びたことを考えてみたりして…

とても暖かな、８月６日のできごと。